楽譜への苦手意識を魔法のように消し去る!ソルフェージュ・楽典3つのポイント

カサメミュージックスクール 声楽講師 上久保沙耶先生

楽譜への苦手意識を、魔法のように消し去る3つのポイント

こんにちは。カサメミュージックスクール、ソルフェージュ楽典科講師の上久保沙耶(かみくぼ さや)です!
音楽を専門的に学んだことのない方で、こんな方はいらっしゃいませんか?
「新しい曲を演奏したいけど、楽譜を開くたびに諦めてしまう」「リズムが複雑になると、指がもつれて頭が真っ白に…」「音の強弱以外に、どう表現すれば良いのか分からず、自分の演奏に飽きてきた」。

さて、楽器を手にした人、歌を歌いたい人なら、初心者からベテランまで誰もが一度はぶつかる壁。それが「ソルフェージュ」や「楽典」という、音楽の、いわゆる座学の勉強です。
上記のような悩みを持つと、自分には音楽は向いていないのかも、と落ち込んでしまうこともあるかもしれません。しかし安心してください。これらは決して、選ばれた才能がある人だけが持っている特殊能力ではありません。ソルフェージュや楽典で学べるちょっとしたコツと「脳の整理術」を知るだけで、あなたの音楽への向き合い方は驚くほどに変わります。

ソルフェージュ_魔法

この記事では、大人から子供までのお悩み例と、今日から実践できる方法をあげていきます。表現の翼を広げる為の具体的な方法を、3つのポイントで深掘りしていきましょう。


【お悩みその①】 楽譜を読むのが遅いのは、音を一音ずつ読んでいるから?!

楽譜を読むのを「一音ずつ、ド、レ、ミ……と数えている」状態は、英語を「A、P、P、L、E」とアルファベットを一文字ずつ読んでいるのと同じです。これでは文章の意味を理解するのが大変で、疲れてしまいますね。
スラスラと楽譜が読める人は、楽譜を点ではなく単語(かたまり)やシルエットとして捉えているのではないでしょうか。

→改善方法の一例

五線譜の上の音を、ひとつひとつの点として追うのを、一度やめてみましょう。代わりに、音と音の距離(間隔)に注目するのです。
例えば、ド・ミ・ソのように一つ飛ばしで並んでいるのは、三度ずつの積み重ねです。この”均等にお団子が三つ並んだ形”を見た瞬間に、頭で「ドとミとソ」と考えるより先に、手がその和音の形を自然と準備できるようになること。これが読譜が速い人の正体です。ソルフェージュを学ぶと、これがただの”三度”だけでなく、もっと細かい分類が分かってきます。

ド・ミ・ソはお団子

また、歌の場合、例えば新曲視唱だと上記の楽器と全く同じようにはいきません。なぜなら、正しいところを押せばその音が鳴る楽器とは違い、人間は自分で音程を作らなければならないからです。しかし、身体の場合もパターンは同じ。ド・ミの三度の音程を身体が覚えることで、ドとミの音を別々に頭で考えて音に出すよりスムースに視唱できます。

→今日からできるトレーニング

まずは楽器を持たずに、楽譜を眺めるだけの5分間リーディングを取り入れてみてはいかがでしょう?初めは音名は読まなくて構いません。「ここは階段のように一段ずつ上がっているな」「ここは大きくジャンプ(跳躍)しているな」と、音の動きをグラフのように追いかける訓練をするだけで、脳内の読譜回路が劇的にスピードアップするでしょう。


【お悩みその②】 両手が違うリズムになるとパニックになるのは、”拍感”を考えていないから?!

特にピアノを始めたばかりのお子様に多い現象ではないでしょうか?左手のベースを奏でる音と、右手のメロディーを奏でる音が違うリズムだと、こんがらがってしまう方が多い印象です。リズムの課題は大学のソルフェージュでも試験にされることが多い、初心者でも上級者でも重要なジャンルです。
「メトロノームに合わせようとすると、余計にパニックになる」という声もよく聞きます。

→改善方法の一例

リズムが複雑で指が動かないときは、まず楽器ではなく、リズムを言葉に置き換えて喋ってみましょう。
例えば、3連符は「バナナ」、5連符は「チョコレート」。

三連符はバナナ・五連符はチョコレート

自分にとって馴染みのある言葉をリズムに乗せて声に出すことで脳は、難しい音符の羅列としてではなく、耳慣れた音としてリズムを理解するので、簡単にリズムを体得できるでしょう。

→今日からできるトレーニング

通勤や通学の最中に、自分の歩く歩幅を一定のテンポ(一歩が四分音符一つ分になるということ)に見立ててみましょう。その足取りに合わせて、今練習している曲のメロディを口ずさみます。歩数で拍を感じながら歌うこと(これが”拍感”)で、実際に曲を練習する際にはすでにリズムは身体に染み付いているので、簡単に感じるでしょう。


【お悩みその③】 表現がワンパターンになるのは、楽譜の秘密をまだ知らないから?!

「楽譜通り、音もリズムも強弱も、正確に演奏しているはずなのに、なんだかつまらない演奏に感じる…」
そう感じるのは、楽譜に隠された”設計図”を読み込めていないからかもしれません。
作曲家は「ここでドキッ驚かせてほしい」「ここは穏やかな朝の鳥のさえずりの音」など、楽譜の中に様々な感情や情景を音符で仕掛けています。
楽譜にちりばめられた作曲家からの”こうしてほしい!”というヒントは、実はたくさん隠されています。

楽譜の秘密

→改善方法の一例

例えば、「調(キー)」の変化に注目してみましょう。
曲の途中でフラットやシャープが増えたり減ったりする「転調」は、映画の場面転換と同じです。明るい長調から、切ない短調へ変わった瞬間、そこにはどんな景色が広がっているでしょうか?
「ここは短調で少し影が差したから、音の色を少し暗くするイメージで演奏してみよう」「ここは音が跳躍している(音と音の距離が遠い)から、期待に胸を膨らませているシーンかな」と、音の動いている理由を自分なりに考え、ストーリーを見つけるのです。

→今日からできるトレーニング

先ほども記したような、音と音の距離、または、リズムが細かい音符で表されているか長い音符で表されているか、シャープやフラットが増減して転調していないか。
まずはこれらの分かりやすい要点を見つけ、そこに自分なりのストーリーを与える練習をしてみてください。
更にソルフェージュや楽典を学ぶと、こうした要点をもっと沢山見つけられるようになるでしょう。また、作曲家が意図しているストーリーを汲み取りやすくもなります。音楽の解釈に正解はありませんが、これまでの音楽の歴史の中で解明されてきた「型」のようなものは存在します。それを知れば、あなたの演奏はより深みを持つようになります。


【まとめ】ソルフェージュは厳しいルールではなく、表現の翼を広げるヒント!

演奏を豊かにする
ソルフェージュや楽典は、あなたを型にはめる為の厳しいルールではありません。
むしろ、あなたに演奏のヒントを与えるきっかけになるものです。
楽譜がスラスラ読めるようになれば、新しい曲に出会うのが楽しみにもなりますね。
音楽の仕組みがわかれば、自分だけの「色」を、自信を持って音に乗せることができます。
この記事を読んで、ソルフェージュや楽典を少しでも身近に感じていただけるようになれば幸いです。


【上久保沙耶先生のレッスンで、音楽の「設計図」を読み解いて、あなただけの表現を!】

記事で紹介した「お団子」や「バナナ」の魔法の言葉、いかがでしたか?
「もっと色々なコツを知りたい!」「自分の演奏している曲で教えてほしい!」と思った方は、ぜひ上久保沙耶先生のレッスンを体験してみてください。

上久保先生は、東京藝術大学で高度なソルフェージュを修めた実力派でありながら、「ゲーム感覚で楽しく」「つまずきやすいポイントに寄り添って」教えてくれる優しい先生です。全く楽譜が読めない初心者の方も、ドレミの位置から丁寧にサポートしてくれますよ!

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