ヴァイオリン講師、細谷美佐緒先生にインタビュー!

3歳からヴァイオリンを始め、国立音楽大学器楽学科を主席で卒業。在学中から、フリーのヴァイオリン奏者として演奏活動をスタートした細谷美佐緒先生。オーケストラでの演奏はもちろん、世界的なソプラノ歌手、サラ・ブライトマンなど、国内外のアーティストとコンサート、レコーディングの場で多数共演。さらに、映画「祈り~サムシンググレートとの対話~」への演奏参加や、奈良県天河神社の大祭にて奉納演奏を行うなど、クラシックのみならず、ジャンルを超えた多彩なフィールドで活躍中です。ここでは、細谷先生のこれまでの活動を振り返ると共に、大切にしている音楽の力、「ヴァイオリンは自分の声」と語る、その魅力、レッスンに向けてのメッセージなどをお聞きしました。

-細谷先生は、もともとヴァイオリン奏者になりたいという夢があったのですか?

小さな頃から漠然とヴァイオリニストになる夢を抱いてましたが、「プロになりたい!」とはっきり決意したのは中学3年生のとき。諏訪内晶子さんが、日本人で初めてチャイコフスキー国際コンクールのヴァイオリン部門で優勝したんです。当時18歳で史上最年少ということもあり、速報になるほどの大きなニュース。そのときの演奏を見てものすごく衝撃を受けて、突然スイッチが入ったんですよね。そこから、高校の音楽科を受験して、音大に進学して、夢に向かってまっしぐらでした。

-在学中には「アジアユースオーケストラ」に選出されていますね。

大学3年生のときです。アジア各国の学生たちがオーディションを受け、合格したメンバーでさまざまな国を回り演奏するというものでした。まずは香港に集まってリハーサルキャンプ。アメリカ、ヨーロッパなどから訪れたプロの指揮者、指導陣に教えてもらって、約1カ月半、7か国を回る海外演奏ツアーをしました。オーケストラのヴァイオリンは、1stヴァイオリンと、2ndヴァイオリンの2つのセクションに分かれているんですが、私が任されたポジションは、2ndヴァイオリンのトップ。ここで初めてオーケストラの曲でソロに挑戦することになったんです。指揮者は、今は亡きセルジュ・コミッショーナ氏で、練習は厳しく、私は彼が要求する演奏ができなくて、いつも悔し泣きをしていました。でも、本番では求められた演奏ができて、終わった後に笑顔で誉めてくださって、すごく嬉しかった。この経験は、今でも忘れられない思い出です。

-プロフィールに「フランスのシャトーシャンにてW・グラドフ氏に師事 」とありますが、これはいつ頃のお話ですか?

大学在学中、2週間ほど短期留学したときのことです。1つのお城を借りきって、そこに滞在し、それぞれのお部屋で毎日マンツーマンのレッスンを受けるんです。フランス、イギリス、オーストリアなどから、このために先生方が来てくれるんですが、私がお願いしたW・グラドフ先生は、偉大なソリストを育てた素晴らしい指導者。感激したのは、ピアノの伴奏付きでレッスンが受けられること。ヴァイオリンはピアノとの共演が多い楽器ですが、日本ではピアニストと一緒にレッスンする機会は少なく、伴奏を想像しながら弾くことがほとんど。それがこのレッスンでは、必ずいつもピアニストと一緒に弾くことができて、なんて贅沢なレッスンなんだろうと。いろいろなアンサンブルができて、とても学びの多い2週間でした。

-在学中から、プロのオーケストラで演奏活動を始めたんですよね。

そうですね。そのままご縁ができて、卒業後もオーケストラのお仕事を頂けるようになりました。その後、クラシック以外のジャンルを演奏する機会も増えて、新しいことにチャレンジすることで、経験が圧倒的に深まって。自分が今まで捉えていた音楽感がばーんと広がっていくのを感じましたね。

-神社で奉納演奏もされていますね。奈良県天河神社の大祭や、熊本県弊立神宮の五色神祭にて「音霊奉納奏者」に選ばれたとか。

天河神社は20歳くらいの頃から、ただただ好きで行っていて。そしたら、あるとき宮司さんが声をかけてくださって。お話の中でヴァイオリンをやっていることを伝えたら、いきなり「演奏してください」と(笑)。お聞きしたら、直感でわかる何かがあるみたいですね。弊立神宮も同じようなご縁があって弾かせて頂くことになりました。実は私、30歳のときに一度ヴァイオリンを辞めたんです。「一生弾かない」って楽器もしまって。でも2年経ったあるとき、天河神社の宮司 さんから電話があって奉納演奏をお願いしたい、と。そこで思わず「はい」って言っちゃって( 笑)。それから猛練習です。大丈夫かなと思ったけど、もう一度弾き始めてみたら、いろんな情熱が育っていて、またやりたいっていう気持ちが蘇ってきました。宮司さんのあの電話がなかったら今頃やめていたんだろうなと思います。

-2年休んでいると、前のように演奏するまで大変でしたか?

時間がかかりましたね。指もふにゃふにゃに柔らかくなっているし、テクニック的にはまるで使いものにならない。でも、感性 はすごく豊かになったように感じました。弾くのを辞めたのは、疲れてしまったというか、枯渇しちゃったからなんですよね。音楽に感動がなくなっていたんです。でも、2年休んだことで失くした感性が蘇ってきたというか。だから休んでよかったなと今はすごく思います。それからは自分で曲を作るようになったり、生み出すことも始められるようになったので。

-2013年の初ソロアルバムから、これまで計3枚の作品 を発表されています。オリジナル曲が生まれたことで、何か変わったことはありますか?

クラシックも自分の言葉として音を奏でることができるんですが、オリジナル曲は、自分を通して生まれた音を奏でるので、より自分の言葉に近い感覚だなと気づきました。それによって表現 の幅が広がったように思います。一方で、ここ最近、クラシックのよさに目覚めたところもあって。普遍的なものがたくさん詰まっていたんだなと深く感動しています。何百回も聞いてきた音楽なのに、受け手の感性が変わったことで、いろんな点と点がつながる感じ。やっぱりすごいんだなって、その偉大さを痛感しましたね。

-昨今は「日本クラシック音楽コンクール」の審査員を務めるなど後進の指導にも力を注いでいるとのことですが、講師を始めたのはいつ頃ですか?

20年前くらいです。大学を卒業して間もない頃は、演奏の仕事だけでは食べていけないので、仕事を作っていく一つとして音楽教室で講師を始めました。今は、自分で弾くのも好きだけど、この音楽を伝えていく人を育てるということに興味があって、何か未来につなぐ活動ができたらいいなと思ってます。

-現在はオンラインレッスンのみですが、具体的にはどのように進めていくのでしょうか?

オンラインだとどうしても時差が生まれて、同時に演奏するのは難しいので、まず生徒さん1人で演奏していただいて、その後ピンポイントで伝えていくという進め方です。持ち方、姿勢は大事なので、初心者の方でも経験者の方でも、そこはしっかり教えていきますね。

-いい音を出すには基本が大事なんですね。

そうですね、基本は姿勢。ヴァイオリンは、いい姿勢であれば、いい音が簡単に出るんです。なので、レッスンでは、まず身体の軸を整えて演奏することを大切にしています。その上で、音階と指を動かす練習。ほとんどの場合、クラシックのメソッドからお伝えしていきますが、趣味 で楽しみたいという方には、難しいことはほどほどに。生徒さんが弾いてみたい曲を目標に設定して、1人で弾けるようになるまでの段階を組み立ててレッスン
を進めていきます。私のレッスンの特徴としては、スパルタじゃないってこと。あくまで、生徒さん自身のペースに合わせて寄りそっていくというスタイルを大事にしています。

-細谷先生は、昨年からオンラインのレッスンを始められたとのことですが、オンラインならではのメリットはどんなところにあると思いますか?

ご自宅から気軽に参加できますし、始めやすく続けやすいのかなと思います。まさに「継続は力なり」で、続けることって大事。その最中はどうしても気づかないけれど、あとから振り返るといつのまにか身についていることってたくさんあるので。講師としても、皆さんが「弾けるようになりたい」というモチベーションを高めながら楽しく続けられるように、目標をしっかり作ってお力添えできたらと思います。

-音楽の力をオンラインで体感できるっていうのは、このような時期、特に励みになるのかなと思います。音楽の力に救われることってありますよね。

私自身、何度も救われました。音楽は本当にたくさんの感動を与えてくれた。なんなら毎日感動して、毎日救われています(笑)。人間が人間らしく豊かに生きるという意味において、音楽は必要不可欠。そして、思っている以上に、音楽は身体的な力、生命力をあげてくれているなと実感しています。レッスンでも、そういう喜びを一緒に体感できたらいいですね。

-細谷先生が思うヴァイオリンの魅力とは?

ヴァイオリンは単音旋律楽器で、人の声に近いと言われていますが、私はヴァイオリンの音を自分の声だと思っています。音=言葉のような感じで、意味以上のものを音が伝えてくれている気がする。ヴァイオリンは歌う楽器だな、と。そんなふうに思えるところが魅力だと思います。

-楽器はどのように選んだらよいでしょうか?

一番は、自分で弾いてみてピンとくる楽器。ヴァイオリンは、楽器によって低い弦がすごく鳴る渋い音とか、高い弦がキラキラ鳴る音とか個性があります。その中から、自分の好みに合う音色のものを探してみるといいですね。弾き手によっても音色が変わっていきますよ。まるで一緒に生きている感じ。自分の声だ!って思える楽器に出会えるといいですね。

-細谷先生が音を奏でる上で大切にされていることは、どんなことですか?

音を奏でるということは、自分自身に対する祈りであり、人や自然、地球全体の魂を鎮めること だと思っています。音を奏でることそのものが神聖なこと。そこだけは忘れずに、いつも大切にしていますね。小さな頃から、私の奏でる音はなんか違うよねって言われていて、これまでなんのことかわからなかったんですけど(笑)。最近思うのは、私は周りの音をキャッチする力が強いのかなと。みんなの魂と共鳴して表現するというか、何かを感じることで音に直結するような。それが自分の声と言える私の個性なのかなという気がしています。

-では最後に、これからヴァイオリンを始めようと思っている方へメッセージをお願いします。

ヴァイオリンは一生のパートナーと思えるくらいの楽器。コツコツやっていくと心が豊かになり、人生が豊かになる楽器だと思います。美しさに敏感になったり、きっと日常のふとしたことの捉え方が変わっていく。生きる上で芸術は無駄だと言う人がいるかもしれないけど、無駄の中に実は豊かさの秘密が隠されている。ヴァイオリンをやるということは、その秘密を開いていく感じ 。ぜひ一緒に音を奏でながら豊かな感性を育んでいけたら嬉しいです。

取材・文/岡部徳枝 text by Norie Okabe

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