大人気ギター講師、清水悠先生にレッスンや南米音楽の魅力についてお聞きしました【カサメミュージックスクール】

13歳でギターを始めたときから、プロのミュージシャンを目指していたという清水悠先生。夢が叶い、続々とレコーディングやコンサートの仕事を受けるようになったころ、さまざまなジャンルのミュージシャンと共演する中で、とりわけ魅了されたのが南米音楽でした。その後、本場アルゼンチンのギタリストからレッスンを受けるなどして、スキルとセンスを磨き、近年では南米トップクラスのミュージシャンとライブや作品で共演。2019年には、アルゼンチン最大規模の音楽フェスティバル「フェスティバル・ナショナル・デ・フォルクローレ」に出演するなど、日本では数少ない南米音楽に特化したギタリストとして活躍しています。そんな清水先生に、これまでの歩みや、南米音楽の魅力、講師歴13年のレッスンで大切にしていることなど、さまざまなお話を聞きました。
カサメミュージックスクールギター科講師、清水悠先生の写真

-まずは、ギターを始めたきっかけを教えてください。

母が趣味で弾いていたアコースティックギターが自宅にあって、興味を持ったのが始まりです。当時、ビートルズやスティング、ポリスといった海外のロックが好きで、特にギタリストは憧れの存在でした。13歳でポピュラー音楽の先生に習い始め、その後、基礎も習っておいたほうがいいだろうと思いクラシックギターも並行して習うことに。この当時から、僕は将来これで生きていくんだ、プロのギタリストになる!って勝手に決めていました(笑)。

-実際にギタリストとして仕事を受けるようになったのは、何歳くらいのことですか?

20歳ころだったと思います。いろいろなジャンルを演奏する仕事をいただきましたが、当時は南米出身のギタリストが好きでよく聞いていたということもあり、ラテンアメリカの音楽家と共演する現場が増えていきました。来日したミュージシャンと共演させて頂いて、その方のマスタークラスを受けたり、アルゼンチンを訪ね現地のギタリストに教わったり、いろいろなことを覚えながら南米に特化したギタリストとしてのキャリアを積んでいきました。

-具体的には、どのようなミュージシャンの方々と交流があったのでしょうか?

アルゼンチンを代表する偉大なギタリスト、リカルド・モヤーノとファン・ファルーは、来日時にマスタークラスを受けることができました。リカルドは、来日ツアーにも同行させて頂けたんですが、彼は僕が一番尊敬するギタリスト。同じ舞台や国際ギターフェスティバルで共演できたことはかけがえのない大切な経験となりました。アルゼンチンに滞在中は、カルロス・モスカルディーニやエルネスト・メンデスのレッスンを受けました。カルロスは、クラシックギターの世界に名を馳せるミュージシャンであり、作曲家としても高い評価を得ている方。彼の作る曲は本当に素晴らしく、大好きなので、そのオリジナル曲を演奏したソロアルバムを作りたくて、2018年に『TRASFONDO ONÍRICO』を発表しました。ホームページのプロフィール欄にも掲載していますが、この作品について本人からコメントも頂けて、ものすごく嬉しかったですね。エルネスト・メンデスは、演奏動画で一緒に弾いている人です。彼の魅力もまた、既存のクラシック音楽ではなく、自分で作った曲を自分のアレンジで演奏しているところ。オリジナリティを表現することのかっこよさを学びました。

-南米音楽の魅力はどんなところにあると思いますか?

まずは、リズムの豊富さですね。様式、スタイルがすごくたくさんあるんです。アルゼンチンには移民の文化があって、イタリア系移民が多いので、ヨーロッパ的な要素とトラディショナル的な要素が混じっている。いろんな文化が混ざり合ってできた音楽だからこそのおもしろさがあります。それから、ギターが絶対必要な音楽であること。クラシックギターは、ヨーロッパと南米に分けられますが、南米こそギターに適している音楽だと感じます。クラシックギターでヨーロッパ音楽を弾こうとしたとき、たとえばバッハはギターのための音楽を作っていないので、編曲したものを弾くことになりますよね。これに対して、南米音楽はそもそもギターありきで作られている。ギター音楽であるということは、ギタリストとして大きな喜びにつながる部分だと思います。それから、アンサンブル的な文化があるので、コミュニケーションツールのひとつになっていることも魅力。クラシックギターは、1人でメロディーを弾いて伴奏して完結できる世界があるけれど、アルゼンチンでは、みんなで演奏して楽しむという文化がある。ギターを通じてコミュニティができるということは素晴らしいなと感じます。

-実際にアルゼンチンを訪ね、本場のミュージシャンから学んだ経験の中で、何か印象に残っている言葉やできごとはありますか?

カルロス・モスカルディーニは、「音楽を理解するには、文化を一緒に知っていく必要がある」と言いました。これは本当に大事なことだなと実感しています。それから、エルネスト・メンデスは、「練習は家で一人でするものではない、みんなでワインを飲んで食べて弾いて覚えるものだよ」と。僕は、アルゼンチンで彼の家に滞在していたんですけど、その言葉どおり、本当によくギタリストたちが集まってきました。肉を焼いて食べたりワインを飲んだり、そこで弾いて歌ったり、それが本当に楽しかったし、すごく勉強になりましたね。習う先生によって、それぞれちょっとずつ違うことを言ったり、弾き方が違ったりして、個人競技的な感じもおもしろい。僕はその文化の当事者ではないから、何かを信じるしかないんですけど、この先生は正しくて、この先生は間違っているとは思わないようにしています。正解がないというところがおもしろいというか、それぞれの先生のバリエーションを自分の中のボキャブラリーとして持っていることが大事だなと学びました。

-では、清水先生が行うレッスンの内容、進め方について教えてください。

まず重要なのは、生徒さんがどういう音楽をやりたいのかということなので、それをお聞きした上で、レッスン内容を決めていきます。生徒さんによっては、ただギターをやってみたい、特にやりたい音楽が見つかっていないという方もいらっしゃるので、その場合は基礎的なことをお伝えしながら、世界のいろんな音楽を一緒に聞くようにしています。お互いどんな音楽が好きかということはわかっていたほうがいいと思うし、紹介した音楽で気に入ってくれたものがあれば、深く教えていくことができるので。経験者の方は、たとえばフォルクローレのこのリズムを教えてほしいとか、明確な目的をお持ちの方も多いので、その場合はピンポイントでお伝えしていきます。切るところや伸ばすところ、それによってなぜタンゴらしく聞こえるのか、そんなラテンアメリカ特有のアーティキュレーションなども、ご要望があれば専門的に学べるレッスンを行っています。

-レッスンをする上で、大切にしていることは?

ただ楽譜を読んで弾くだけのレッスンでなく、並行して楽曲分析を身につけられるレッスンを心がけています。楽曲分析とは、この音楽のリズムはどうなっているか、どういうハーモニーが使われているか、どこで転調したのか、そういった仕組みを理解しながら弾くということです。たとえば1曲弾くことをゴールにして、テクニック的な部分だけ習得しようとすると、ただ楽譜の音を読めるだけで終わってしまう。でも楽曲分析ができていれば、次はこの曲を弾いてみようと新しい曲を見聞きしたとき、仕組みが理解しやすくなる。学んだことを次に活かして、応用ができるようになるんです。僕は、生徒さん1人1人が自分の好きな音楽を自由に奏でられるようになってほしいと思っています。それには、楽曲分析の力や応用力が大事。南米音楽でも、弾き語りのポップスでも、ジャズやロックでも、どの方向にいっても活かせるような、経験を無駄にしないレッスンを目指しています。

-実際に、さまざまなジャンルのレッスンに対応されていますね。

僕が南米音楽で習得したリズムやスケール、ハーモニーは、さまざまなジャンルに応用できるもの。なので、生徒さんが南米音楽以外のジャンルを学びたいとなったときに、一緒に考えていくことができるんです。僕自身も、初めて向き合う音楽の構造や仕組みを一緒に理解していくことで勉強になりますし、そういう作業はとても大事だなと感じています。あとは、一緒に演奏しながら学ぶというスタイルも大事にしたい部分ですね。通常ギターソロは伴奏とメロディー演奏を同時に行いますが、最初は難しいので、まずは生徒さんがメロディー、僕が伴奏というアンサンブルのレッスンを行っているんです。これはすごく楽しいし、学ぶことも多いかなと思います。ただオンラインだとタイムラグがあり一緒に弾けないんですよね。この解決法として、前もって僕が伴奏した動画で送り、それに合わせてレッスンする方法を実施しています。レッスンの時間以外でも、この動画を使ってアンサンブルの練習ができるので、ある意味オンラインならではの特典といえるかもしれませんね。

-これから楽器の購入を考えている方へアドバイスをお願いします。

自信を持っておすすめしたいのは、僕が使用している楽器です。日本の横尾俊佑さんという製作家さんが手掛けたもので、実は僕の親戚なんですが、本当に素晴らしい楽器なのでずっと使っています。ポイントとしては、日本で保管している木で作っているので、日本の気候に合っていること。海外から輸入されたものは、湿度の違いから、場合によっては状態が悪くなってしまう楽器もあるので。それから、日本人が弾きやすいサイズ感。ギターはモデルによって弦長がさまざまなんですが、横尾さんが作るものはちょうどいい長さ。女性が弾きやすい短めのサイズを作ることもできます。なんにせよ楽器を選ぶときは、やっぱり自分の耳で聞いていいなと思う音色のものが一番。でも初心者の方は何をもっていいかということもわからないと思うので、最初はリーズナブルなモデルを買って弾いてみて、一生ギター音楽を楽しんでいきたいと思ったなら、そこで改めて高価なモデルを検討してみたらいいかなと思います。

-最後に、ギターのレッスンを始めてみたいと考えている方へメッセージをお願いします。

自分の好きな音楽、やりたい音楽が見つかって、それができるようになることは、とても素晴らしいこと。応用力をつけて、表現力を高めていければ、きっとやりたい音楽の幅も拡がり、演奏する楽しさも増していきます。レッスンで一緒に演奏したり、一緒に音楽を理解していくことで、皆さんが好きな音楽を自由に奏でられるようお手伝いができたら嬉しいですね。

取材・文/岡部徳枝 text by Norie Okabe

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