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須田史寛先生にチェロレッスンについてインタビュー

6歳からチェロを始め、約20年の演奏歴を持つ須田史寛先生。現在は、クラシックの舞台でソリストとして活躍すると同時に、チェロの新しい可能性を発信すべく、ダイニングやクラブ、ライブハウスなどへも活動の場を広げ、ポップス、ロック、EDMなど幅広いジャンルで演奏。さらに、介護施設、幼稚園でのワークショップ、三味線奏者と結成した和洋弦楽ユニット「3×4×S(サシス)」でのライブなど、さまざまな角度からチェロの魅力を伝える活動を展開しています。近年は、DTMクリエーター、作曲家としても活躍していることから、チェロ科とDTM・作曲科で講師を務める須田先生に、2つの科目についてそれぞれインタビュー。今回は、チェロについてお話を聞いた第1弾をお届けします。

-チェロの講師を始めたのは何歳頃からですか? また、始めたきっかけも教えてください。

18歳のころですね。知り合いの方から教えてほしいと依頼されまして。昔から教師になるのが夢で、高校の英語の先生になりたいと思っていたので、教えるってことに対しては抵抗ありませんでしたね。それから、大学の弦楽アンサンブルのサークルでも指導を始めて。最初にサークルを見学したとき、みんなすごく楽しそうに弾いていたんです。僕はこんなに楽しく弾いたことないなって感動して、すぐ入部しました。当時からプロのチェリストとして活動していたので、結果的にビオラ、チェロ、バイオリン、サークル全体の指導をしていましたね。その後、大学を中退してイギリスとオランダの音大へ行くんですが、そこで出会った先生にものすごく影響を受けました。とっても教え方がうまいんです。「よく来たね!」なんてフランクに接してくれるんだけど、生徒の演奏を少し聞いただけで「君はこういう性格だね、君の演奏のここがいいね、でもこういう悩みがあるでしょ」ってズバズバ言い当てちゃう。僕が約15年間ずっと弾いてきた歴史を一瞬で見抜かれたような感じがして衝撃でした。それで自分もこんなふうに他人のいいところを見つけて、的確な指導ができる人間になりたい、と。そしたらもっとたくさんの人にチェロの魅力を伝えられるなって。今振り返ると、その先生との経験は本当に重要だったなと思います。帰国してから、改めて講師を続けていく上で大切なことを学ばせてもらいました。

-現在、レッスンは対面とオンライン、どちらでも受けられるんですよね。対面の場合は、須田先生の自宅スタジオや提携スタジオで受けられるということですが、オンラインだとなかなか自宅で音を出せないという生徒さんもいらっしゃるのでは?

そうですね。チェロという楽器は、床にピンを着けて弾くので、下の階に低音が響いてしまったりして自宅で練習できないという方が多いと思います。なので、まずは音が出せてネット接続がスムーズな環境探しを一緒にすることから始めています。貸しスタジオとかカラオケとか、「近場にこういう場所がありますか?」と相談しながら、快適なレッスン環境を見つけるためのお手伝いを最初に行っています。

-では、具体的なレッスンの進め方を教えてください。

最初に必ず「将来的に弾いてみたい曲はありますか?」と聞きます。そして、その曲を僕がまず弾いて、実際に聞いて頂く。それからこれが弾けるようになるには、こういうレッスンが必要なんですよという進め方を説明していきます。その後は、皆さんだいたい同じなんですが、“スズキ・メソード”という教科書を使って練習します。この教科書は、海外でも普及している教材で、チェロを習う人がほぼ使うもの。基礎的な練習から始まり、全8巻あるんですが、僕のレッスンで使うのはだいたい3巻くらいまで。この教科書にそって一つ一つ必要なことをクリアしながら一緒にステップアップを目指します。2回目以降のレッスンでは、最初にお話をして、生徒さんの実感を確認することから始めるようにしています。今週は仕事が忙しくて練習できなかったとか、今日は自信があるので聞いてくださいとか、皆さんそれぞれなので。練習できなかったという場合は、無理しなくてもレッスンの中で一緒に進めていきましょう、と。

-初心者の方も多いと思うのですが、チェロを演奏するにあたってまず大切なことはなんでしょうか?

チェロって、きれいな音を出せるようになるまで何カ月もかかるんですね。だからまずはきれいな音を目指しましょうと伝えています。実はこれ独学でやろうとすると、なかなか難しい。というのは、チェロは自分の姿勢を客観的に確認しにくい楽器だから。きれいな音を出すためには正しい姿勢で構えることが重要です。体の入れ方によってまったく音が違ってくるんですよね。でも、チェロの特性上、正しく構えようとするとどうしても左手が死角になる。自分で姿勢を見るのが難しいんです。なので、そこを僕が確認しながら、徐々にチェロとの一体感を高めてもらって、最終的に1人で弾いてもきれいな音を出せるように頑張りましょう、と。

-なるほど。チェロは体の入れ方によって音が変わる楽器なんですね。“チェロとの一体感”という言葉も興味深いです。

たとえば、緊張感を音で表現したいときには、どこかぴりっと萎縮するような体の筋肉の使い方をする。弦を抑える左手の揺らし方、弓を引く右手のスピード、そうした一つひとつの体の動きが、表現したい感情に直結する楽器なんです。数年弾き続けていると、だんだん自分の感情にチェロが応えてくれる感覚を味わえます。自分が笑えばチェロも笑ってくれるし、自分が泣けばチェロも泣いてくれる。人間の声と音域が同じ楽器なので、まるで人が語っているような感じ。だからチェロは今の自分の感情を弾いてくれるものだと思っています。いわば映し鏡ですね。僕にとっては、いい相談相手でもあります(笑)

-“その境地までいってみたい!”と思わせる深い魅力を携えた楽器ですね。

そうなんですよ。持ち歩きも大変だし、湿度管理も必要だし、低音は壁を通り抜けやすいので自宅で練習しづらいし、いろいろなハードルがある楽器なんですけど、それを上回る魅力があります。弦楽器の中でも、低音から高音まで音域が広いという面では、自分の弾きたい曲、出したい音に答えてくれやすい楽器だと思いますし。ちょっぴりひねくれ者で気難しいところもある相棒みたいな立ち位置で、チェロと接する機会を作ってもらえたら嬉しいです。

-楽器の選び方についても教えて頂けますか。

基本的にチェロはヨーロッパ産がいいんですが、その中で何を選ぶかとなると、ブランド名がついているからいいものとは限らないですし、大切なのは実際に聞いて自分の好きな音が鳴るものを選ぶということですね。ネット上には工場で大量生産された安価なものも売っていますが、やはりおすすめしません。僕は生徒さんが購入するとなったら、可能な限り立ち会いたいんです。そもそも初心者の方は、楽器屋さんに行っても弾けないので音を確認できないじゃないですか。だから、一緒に行ってその場で弾いて音を聞いてもらうのが一番かなと。立ち会いが難しい場合は、前もって楽器屋さんに電話して、こういうものを揃えておいてくださいと伝えておくこともできるので、ぜひ相談して頂きたいですね。せっかく買ったなら大事にして頂きたいし、僕は生徒さんが毎日楽器に触ってくれることがなにより嬉しいんです。弾かなくてもいいから1日5分でも触ってほしい。そうしていれば、体が楽器の感覚を忘れることはないので。そのためにも、納得する音、愛着のわく楽器を選ぶのは大切なことかなと思います。

-須田先生にしかない講師としての強みは、どんなところにあると思いますか?

作曲もやっているということですね。チェロだけでなく、そのほかの弦楽器やドラム、ベース、ギター、ボーカルなど、たくさんの楽器や声を聞き、実際に組み立てる仕事をしているので、いろんな知識からアプローチすることができます。クラシックの弾き方はもちろんですが、ポップスやアニメソングを弾いてみたいという生徒さんにも、その良さを表現した弾き方を教えることができる。それは、実際にそういうジャンルの概念や、曲の作り方を知っているからこそだと思います。なので、クラシックのチェロ奏者が弾くのとはまったく違うリズム感やアレンジを実践しながら、さまざまなジャンルの曲を楽しんで頂けると思います。

-では最後に、これからチェロを始めようと考えている方たちへメッセージをお願いします。

僕はこれまでチェロを弾いてきた中で今が一番楽しいんです。音楽をとおして素敵な出会いがあり、生徒さんも増えて、本当に今幸せだなと(笑)。子供のころは、いろんな舞台に上がって賞も頂いて上手に弾ける技術はあったけど、心の底から音楽が楽しいと思えたことはなかった。なので今は、技術の向上と楽しいってことが両立する喜びを皆さんに味わって頂きたいと思っています。一番のモットーは、音を楽しむこと。どうやったらその人が楽しい気持ちで、自分の演奏に向き合ってもらえるか。生徒さんの“楽しい”を考えるということは、その人の性格、人柄を奥深くまで見るということ。そこを大事にしながら、レッスンを通して一緒に音を楽しんでいけたら嬉しいですね。

取材・文/岡部徳枝 text by Norie Okabe

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